2018年マイ・ベスト・ムービー

2018年に公開された映画から、個人的によかったものベスト10を邦画・洋画混ぜて選出しました。

とは言いつつも観られなかった作品も多くて、邦画では『万引き家族』『寝ても覚めても』『きみの鳥はうたえる』『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』『斬、』『若おかみは小学生!』なんかを観ていないし、洋画では『ヘレディタリー 継承』『スリー・ビルボード』『君の名前で僕を呼んで』なんかも観ていないわけで。

これはもう、春まで受験生で映画観る余裕なんて無かった&夏休みは映画館皆無の田舎へ帰るという事情ゆえで...どうしようもないんですね...。

 

それではいきます。

 

第10位 少女邂逅

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 MOOSIC LAB2017の出品作品だけれど、劇場公開は2018年ということでランクイン。

リリィ・シュシュのすべて』を、若い女性監督が少女を主人公に、より現代的に描き直したような作品。

iPhoneと客観カメラと、2つの視点を同時に映し出すなどの斬新な映像表現もさることながら、主人公2人の立場がゆっくりと入れ替わっていく様を、スリリングに、残酷に描ききったのは素晴らしかった。

やっぱり俺は青春映画が好きなのね...と再確認した一作。

 

 

 

第9位 愛しのアイリーン

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 新井英樹原作のマンガを実写映画化するという難題に挑戦し、見事に成功させてみせた快作。

 エロ・グロもあるし人を選ぶ内容ではあるけれど、確かにポップではありつつ、一方で70年代80年代の土着的で執念深い日本映画を想起させるような、バランスのいい映画でもある。

また、アイリーン役のナッツ・シトイがアイリーンそのままという絶妙なキャスティングがないと成り立たない作品だったと考えると、奇跡的な映画と言えるかもしれない。

 

 

 

第8位 犬ヶ島

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今年のわんこ&にゃんこ枠

過去作のポップさと独特な構図はそのままに、もうとにかく犬がかわいい

犬だけじゃなく、スポッツの舌っ足らずな喋り方とか、奮闘する交換留学生たちとか、どこかおかしな日本の描写とか、圧倒的な密度でかわいい(愛しい)が盛り込まれている。

 

 

 

第7位 アイスと雨音

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74分のワンカットという手法が、その斬新さだけでなく、この作品における登場人物(とそれを演じる役者たち)を最も輝かすことに成功している。映画を観ている内に、劇中のフィクションとしての登場人物を超えて、それを演じる生身の役者が滲み出していると思った。

フィクションの形をとった、俳優たち、そして松居監督のドキュメンタリーとしても観られるのかもしれない。ものすごく熱量のある作品。

 

 

 

第6位 ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ

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今年はアクションもよく観た一年だった。

この『ボーダーライン』シリーズは1作目がとんでもなく面白くて、この2作目は正直、1作目と同じクオリティを維持できるかどうか不安に思っていた。でも実際には期待を超えてきた

1作目のアクション面のクオリティはそのままに、よりダークにシリアスさが増しているし、マット&アレハンドロのコンビがこんなに追い詰められるのか!と。

社会派アクションの中では最高峰の映画。

 

 

 

第5位 聖なるもの

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10位の『少女邂逅』と同じく、2017年のMOOSIC LABで出品されたものの、劇場公開は2018年のためランクイン。

脈略のない、めちゃくちゃな内容の映画に思えて、実は綿密な画面構成と、女性を徹底的に美しく撮る演出が上手く、不思議とついていける(ストーリーの破綻はしているけど、その破綻をも受け入れてしまう)。

この映画、言語化不可能なので実際に観るほかないです。

 

 

 

第4位 カメラを止めるな!

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これ超面白いんですよやっぱり。でも面白いだけじゃなくて何故か終盤には泣けてくるという、愛すべきエモ映画

2018年の映画を思い出すとき、この『カメラを止めるな!』が文句なしに代表作だと思うし、それって素敵。

 

 

 

第3位 アンダー・ザ・シルバーレイク

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暗号・陰謀論・都市伝説・音楽・映画・セレブ・ホームレス・犯罪・宗教とありとあらゆる要素をロセンゼルスの夜に放散させる、爆走カルトホラー映画

公開規模も大きくないし、あまり話題にはなってないみたいだけど、ああ、カルト映画の誕生に立ち会った、と観終わった後に興奮した。

あと、主演のアンドリュー・ガーフィールドカート・コバーンに見えた。

 

 

 

第2位 ボヘミアン・ラプソディ

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音楽伝記映画として映画史に残る傑作。

良くも悪くもライヴ・エイドのシーンがクライマックスになるような構成ではあるけれど、これは文句なしのクライマックス。『Radio Ga Ga』の途中で泣いた。

 この後に亡くなってしまうという事実を知っていながら、その人物の生涯を追うのってなかなか残酷で、基本的にはエンタメ映画でありながら、その〈予告された死〉をふとした瞬間に幾度か思い起こすことによって、フレディ・マーキュリーの生きていた時代とその人生が輝いて見えるという、そんな映画。

 

 

 

第1位 リズと青い鳥

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 いやあ~、いい映画。

一度観ただけでは理解できていない部分も多いし、できることなら手元に置いて、一つ一つのシーンや行動について、そこにどういう意味が託されているのか考えてみたい。

光の描写やオブジェクトの配置、身体性に目を向けて考察した記事もあるように、様々な見方ができる映画じゃないかなと。山田尚子監督、すごい。

 

 

 

〈今年の映画について〉

邦画ではやっぱり『万引き家族』と『カメラを止めるな!』が今年の代表作になるのかなと思いつつ『寝ても覚めても』『きみの鳥は歌える』『ハード・コア』や『ギャングース』といったような若手監督の意欲作、『愛しのアイリーン』『斬、』など重厚な作品も見逃したくなかった。

洋画は『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』のようなモンスター級の作品が無くて、人によってベスト映画がバラつきそうな感じではないかと。それでも『ボヘミアン・ラプソディ』は日本でものすごく盛り上がったし、『バーフバリ』がブームになったのも面白かった。『バッド・ジーニアス』が良かったから来年はタイ映画にも注目かな・・・

 

 

 

〈来年の抱負〉

今年は人生で初めて一年のうちに10回以上映画館に行ったし、大学の狭くて過酷なDVDブースで旧作もたくさん観たし、映画を観る楽しさに気付いた一年でした。

が、暇だったのは今年度だけで、いよいよ2年生になると忙しくなりそうなので、映画を観る本数はだいぶ減るんじゃないかと思います・・・それでも映画を観ないと生きていけないんですが・・・

このブログも、レポート課題が無い期間でも文章を書く習慣をつけようと始めたものの、今ではふつうにレポート課題が出るので、自分でもなぜブログをやっているのかよくわかりません。でも〈カルチャーを発信する側〉には爪先だけでも属していたいので、当分は止めないと思います。何にせよ、今年もよろしくお願いします!ついに2020年まであと1年ですね!!